[結果発表] 第二回イクボス充実度アンケート調査

【イキマネコラムvol.23】「やっぱり女性部下は使いにくい」と言う人は、男性部下も使えていない可能性が大きい

[公開日] [最終更新日]2020/07/09

【イキマネコラムvol.23】「やっぱり女性部下は使いにくい」と言う人は、男性部下も使えていない可能性が大きい

『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。

 




「やっぱり女性部下は扱いにくい」と苦手意識をお持ちの方、それは実は「知ろうとしていない」だけではないでしょうか?相手に興味を持ちコミュニケーションを取ろうとしていないだけかも知れません。

逆に「男性部下のマネジメント」についてはいかがでしょう。

もし「男性部下ならそう気を遣うこともなくしっかりマネジメントできている」とあなたが思っているとしたら、それは残念ながら勘違いかも知れません。

同じ男性でも、50代と20代では驚くほど感性が違います。いつの時代でも世代格差はありますが、今ほど開きがある時代はこれまでなかったのではないでしょうか。

例えばこちらのグラフをご覧ください。

(日本労働組合連合会2013年「パタニティ・ハラスメントに関するり調査」:20~59才の男性1000人対象)



すでに子どもがいる男性に「育休」について尋ねたアンケート結果です。育児休業を取得したいと思った人は20代で7割を超えていますが、50代ではその半分ほどで、「取得するつもりなし」の人は6割超とほぼ真逆の結果です。

50代の人が20代だった頃、その当時の50代との意識はここまで大きな違いはなかったと思われます。「取得するつもりなし」の6割が8割だったとしても、倍も差があるわけではありません。そう考えると、今のギャップは相当なものです。

あくまでも育休についてのグラフではありますが、ここから「働き方」や「夫婦のありかた」ひいては「仕事に対する意識」など、様々な意識の違いが透けて見えます。

 

もうひとつの事例をご紹介します。

 

(2016年11月実施 調査対象:15歳~24歳 男性415名)



イマドキ男子が「最も気を許せる人」の第2位は「母親」です。恋愛に関する話をするのも普通のことで6割を超えています。このグラフを40代以上の人に見せると、男女関わらずほとんどの人が仰天します。

このような男性部下たちの意識変化を知らずに、「ちゃんとマネジメントできてる」と思っているとしたら、それは彼らが従っているフリをしているからかも知れません。それだけならいいのですが、そんな上司にはついて行けないと、離職が頭をよぎっているとしたらいただけません。

 

男性、女性に限らず、ステレオタイプの思い込みを捨てて、一人一人とちゃんと向き合うことです。理解するにはまずは「知ること」から。それにはコミュニケーションを重ねることが何より大事です。

その一番簡単な方法は、ありきたりですが一緒にランチを食べることです。人は「食べる」時は無防備になりますから、食事を共にすることで親近感がグンと増します。

そうやって多くのコミュニケーションを積み上げていくうちに、次第にコツも掴めてくるものです。管理職者同士で情報交換して、知見を増やしていくのもいいでしょう。そうやって近づこうと努力する上司に対しては、部下も徐々に心を開いてくるはずです。

 

👉今回のPOINT

1. 男女ともに知っているつもりにならず、思い込みを捨てる
2. 一人ずつの「個」として理解を深める
3. ランチを共にしコミュニケーションをはかる

 

 

このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。

そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。

 




<阿部博美・プロフィール>

阿部博美
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。

自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。